こんにちは、佐々木です。
私が在籍してた了徳寺学園は当時とてもギラギラしていてチームには個性的な選手しかいませんでしたが、仲は良かった方だと思います。実際に私には皆優しかったです。
その中でも実業団個人と講道館杯でいつも最後に戦っていたのは同僚で先輩でもある小川武志選手でした。小川さんは年齢が私の1つ上で学生時代から何度も対戦した宿敵でもありました。そんな小川さんと会話したのは、私が在籍した6年半の中で10分〜15分ぐらいしかありません。これは互いにライバル意識していたからと言うのもありましたが、当時人間として未熟だった私が一方的に先輩に対しメンチ切っていたのでした笑 失礼な後輩ですみませんでした。しかし先輩の努力や柔道に取り組む姿勢はリスペクトしていました。
選手をリスペクトするという気持ちは自分自身で言うのもおこがましいですが、私も努力していたからそう思えたのだと思います。分かり合えるような感覚です。
世間では最近よく柔道(スポーツ)は“勝ち負けじゃない“と言われているのを聞きますが、私は勝ち負けにとことんこだわっていました。大人になって社会に出るとなんだかんだ勝ち負けなことが大変多い。例えば自営業だと負け=倒産=家族も路頭に迷うになるので、絶対に負けられない。だから私は柔道を人生の模擬試験としてやっていました。
それにプロとしてやっている以上、勝ち負けにこだわらないなんてスポンサーを背負う資格無いと思っていました。
そういう考えでバチバチに意識していた小川先輩に、私の引退試合だった実業団個人の決勝で負け、その瞬間の敗北を受け入れるのは容易ではありませんでした。それでもなぜか晴れた気持ちで握手をして現役生活を終えることができました。(もしかしたらこういう風な終わり方をしたかったのかもしれません)。その試合までの私は、負けるといつもふてくされて、誰とも話さないタイプの人間でした。引退試合の後素直に握手ができたのは、一生懸命に柔道を精進して少し私が成長できたからだと思います。
これからも体が動く限り柔道に精進していき、体を健康に保ち、1人の人間としてもっと成長していきたいと思います。
有難うございました。